あなたの価値観は、いつ誰に作られたのか
私が初めて「自分のこの考え方、親からきてるかも」と気づいたのは、ある日ふと自分の口癖が親とまったく同じだと気づいたときでした。驚くというより、少し怖くなりました。自分のものだと思っていた言葉が、実は誰かからコピーされたものだったかもしれないと気づいたからです。
あなたが今「これが自分だ」と思っている性格。好み。判断基準。その多くは、気づかないうちに親から受け取ったプログラムかもしれません。
親の「愛情」が、子どもの「鎖」になる仕組み
親はあなたを傷つけようとしたわけではありません。
むしろ、愛情からこう言ったはずです。
「泣いちゃダメ」
「人に迷惑をかけるな」
「お兄ちゃんなんだから我慢しなさい」
「ちゃんとしなさい」
でも、これを受け取った子どもの脳は、言葉の意味をそのまま受け取りません。
子どもの脳はこう変換します。
- 「泣いちゃダメ」→「感情を出してはいけない」
- 「人に迷惑をかけるな」→「自分の気持ちより周りを優先しなければいけない」
- 「我慢しなさい」→「我慢できない自分には価値がない」
- 「ちゃんとしなさい」→「完璧でなければ愛されない」
親が伝えたかった意味と、子どもが受け取った意味。そこにはとても大きなズレがあります。
そして恐ろしいのは、このズレたまま受け取った信念が、大人になっても自動で動き続けているということです。
大人になっても消えない「見えない鎖」
こんな経験はありませんか?
- 本当はやりたいことがあるのに「そんなの無理だよ」と自分にブレーキをかけてしまう
- 褒められても素直に受け取れず「自分なんて」と思ってしまう
- 人に頼みごとができず、いつも一人で抱え込んでしまう
- 自分の意見を言うのが怖い
- 「完璧じゃなければダメだ」というプレッシャーに常に追われている
これらは性格の問題ではありません。
幼い頃に植え付けられたプログラムが、今も自動で動いているだけなんです。
本当はやりたいのに「無理だ」と思うのは、あなたの本音ではありません。幼い頃に「失敗したら怒られる」「はみ出したら愛されない」と学んだプログラムが、今もあなたの行動にブレーキをかけているんです。
なぜ親はそう言ったのか
ここで大事なことをお伝えします。
親を責める必要はありません。
なぜなら、親もまた同じ鎖を受け継いでいただけだからです。
あなたの親も、その親から「泣くな」「我慢しろ」「人に迷惑をかけるな」と言われて育ちました。そしてその親もまた、そのまた親から同じことを言われて育った。
つまり、何世代にもわたって受け継がれてきた「無意識の連鎖」です。
誰が悪いわけでもない。ただ、誰もその鎖の存在に気づかなかっただけなんです。
「鎖」を見つけるための3つの問いかけ
見えない鎖を外すためには、まず「鎖が存在している」と気づくことが必要です。
以下の3つの問いかけを、自分に投げかけてみてください。
問いかけ①:「それは本当に自分の言葉か?」
「自分には無理だ」「自分なんか」と思ったとき、立ち止まってください。
その言葉は、誰の声ですか?
よく耳を澄ますと、それは親の声だったり、先生の声だったり、幼い頃の記憶の中にいる誰かの声だったりします。
自分の本音ではなく、昔インストールされた音声データが再生されているだけなのかもしれません。
問いかけ②:「もし何も言われずに育っていたら、自分はどうしたいか?」
「人に迷惑をかけてはいけない」というプログラムがなかったら、あなたは今、何をしていますか?
「完璧でなければならない」という鎖がなかったら、もっと気軽に挑戦していたことはありませんか?
この問いかけが、プログラムの下に隠れている本当の自分を浮かび上がらせてくれます。
問いかけ③:「この信念を持ち続けることで、自分は幸せになれるか?」
「我慢すべきだ」「感情を出してはいけない」——その信念を持ち続けた先に、あなたの幸せはありますか?
もし答えが「NO」なら、それはもう手放していいプログラムです。
手放すことは、親を否定することではありません。親の愛情を受け取りつつ、自分に合わないプログラムだけを書き換えていくということです。
鎖に気づいた人だけが、それを外せる
何世代にもわたって受け継がれてきた見えない鎖。
でも、鎖の存在に気づいた人だけが、その連鎖を止めることができます。
あなたがこの記事を読んでいる時点で、もう気づき始めています。それはとても大きな一歩です。
次の記事では、親の次にあなたに大きな影響を与えた存在——「学校教育」というプログラミングについて解説していきます。
まとめ
- 幼い頃に受け取った価値観は、大人になっても無意識に行動を左右し続ける
- 親の愛情ある言葉が、子どもの脳では「制限」として書き込まれる
- 大人になっても、そのプログラムは自動で動き続けている
- 親もまた、その親から同じ鎖を受け継いだだけ——誰が悪いわけでもない
- 鎖に気づくことが、連鎖を止める第一歩